競馬予想を楽しんでいる方の中には、「雨が降ると予想が難しい」と考えている方も多いかと思います。雨が降ると馬場状態が変わり、稍重馬場、重馬場、不良馬場と変化していきます。
競馬予想にとってこの馬場状態というのが厄介なもの。雨が降ることで強くなる馬、力が出せない馬がいるからです。
こうした雨競馬の予想に血統は使えるのか?また、重馬場の競馬予想のポイントはどこか?など、「重馬場」にスポットを当てて検証・解説していきましょう。
目次
【2021年最新版】重馬場で期待できる種牡馬
まずは何より血統面から検証していきましょう。雨が降り、馬場状態が悪化することで狙える種牡馬や、狙いを下げる必要がある種牡馬がどの程度いるのか?
参考にするデータは2020年1月1日~2021年11月14日までに行われた中央競馬全レース。良馬場の時のデータと比較していきたいと思います。
種牡馬には所属する系統も記載しておきます。系統に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
「芝稍重馬場」種牡馬ランキング
★芝稍重馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走100回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ディープインパクト (サンデーサイレンス系) |
芝稍重馬場 | 12.0% | 22.8% | 33.1% |
芝良馬場 | 12.8% | 23.6% | 33.0% | |
ロードカナロア (Mr.Prospector系) |
芝稍重馬場 | 11.9% | 22.0% | 30.8% |
芝良馬場 | 11.0% | 19.3% | 27.0% | |
キングカメハメハ (Mr.Prospector系) |
芝稍重馬場 | 10.8% | 19.8% | 29.9% |
芝良馬場 | 10.5% | 21.6% | 30.6% |
芝の稍重馬場の結果を見ると、通常の種牡馬ランキング通りの1位&2位という結果に。ただし両種牡馬ともに、良馬場の時より若干勝率は下げています。
良馬場でも稍重馬場でもほぼ勝率に変化がないのがキングカメハメハ産駒。キングカメハメハ産駒に関しては、稍重馬場を理由に狙いを下げる必要はないでしょう。
★芝稍重馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
マクフィ (Mr.Prospector系) |
芝稍重馬場 | 22.2% | 25.9% | 37.0% |
芝良馬場 | 7.1% | 17.2% | 23.7% | |
ドゥラメンテ (Mr.Prospector系) |
芝稍重馬場 | 15.3% | 23.5% | 34.7% |
芝良馬場 | 10.5% | 21.6% | 30.7% | |
トゥザワールド (Mr.Prospector系) |
芝稍重馬場 | 14.3% | 17.1% | 22.9% |
芝良馬場 | 3.9% | 7.8% | 10.9% |
こちらは稍重馬場でこそ注目したい種牡馬をピックアップしてみました。マクフィ産駒は芝の良馬場ではほぼ用のない種牡馬ですが、稍重馬場になると一気に成績が上昇します。
最注目はドゥラメンテ。出走回数98回ということで上のランキングには入りませんでしたが、勝率はディープインパクトをはるかに上回る好成績を残しています。また、トゥザワールドとともにどちらもキングカメハメハ産駒。
キングカメハメハ産駒、およびMr.Prospector系の血は稍重馬場を得意としていると覚えておいていいでしょう。
「芝重馬場」種牡馬ランキング
★芝重馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走80回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
キズナ (サンデーサイレンス系) |
芝重馬場 | 13.4% | 19.5% | 30.5% |
芝良馬場 | 10.2% | 19.3% | 28.4% | |
ディープインパクト (サンデーサイレンス系) |
芝重馬場 | 13.0% | 21.3% | 31.9% |
芝良馬場 | 12.8% | 23.6% | 33.0% | |
ダイワメジャー (サンデーサイレンス系) |
芝重馬場 | 12.0% | 23.9% | 30.4% |
芝良馬場 | 8.0% | 15.7% | 24.3% |
重馬場まで悪化すると、ランキングからロードカナロアの名が消え、すべてサンデーサイレンス系の種牡馬になります。ディープインパクト産駒は稍重同様、そこまで極端に苦手なイメージはありません。
重馬場で注目はダイワメジャー産駒。率の面でも明らかに良馬場より高い数値になっており、重馬場でこその種牡馬といえます。
★芝重馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ドリームジャーニー (サンデーサイレンス系) |
芝重馬場 | 25.0% | 40.0% | 45.0% |
芝良馬場 | 4.8% | 13.9% | 21.7% | |
リオンディーズ (Mr.Prospector系) |
芝重馬場 | 14.8% | 22.2% | 33.3% |
芝良馬場 | 10.0% | 20.8% | 29.7% | |
キングズベスト (Mr.Prospector系) |
芝重馬場 | 13.0% | 21.7% | 26.1% |
芝良馬場 | 9.1% | 12.8% | 18.3% |
出走回数が80回に満たない種牡馬から注目したいのがドリームジャーニー産駒。圧倒的な好成績を残しており、積極的に狙いたい種牡馬といえます。ドリームジャーニーと血統構成が近いオルフェーヴルやゴールドシップ産駒も重馬場の方が成績は良くなりますので覚えておきましょう。
キングズベストは重馬場を得意とする種牡馬としてはかなり目立つ存在。産駒こそあまり多くはありませんが、ぜひ覚えておきましょう。
「芝不良馬場」種牡馬ランキング
★芝不良馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走25回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
キングカメハメハ (Mr.Prospector系) |
芝不良馬場 | 17.2% | 17.2% | 20.7% |
芝良馬場 | 10.5% | 21.6% | 30.6% | |
キズナ (サンデーサイレンス系) |
芝不良馬場 | 15.9% | 22.7% | 29.5% |
芝良馬場 | 10.2% | 19.3% | 28.4% | |
オルフェーヴル (サンデーサイレンス系) |
芝不良馬場 | 12.2% | 18.4% | 28.6% |
芝良馬場 | 8.8% | 15.8% | 24.4% |
重馬場ではランキング外であったキングカメハメハ産駒ですが、不良馬場では再びランクイン。実施レース数が少ないという点で、データの信ぴょう性に問題はあるかもしれませんが、ディープインパクトはランキングから消えました。
キズナやオルフェーヴルといった種牡馬は、雨が降れば注目すべき種牡馬であるといえます。
★芝不良馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
スクリーンヒーロー (ロベルト系) |
芝不良馬場 | 17.6% | 17.6% | 17.6% |
芝良馬場 | 8.0% | 15.3% | 24.0% | |
キンシャサノキセキ (サンデーサイレンス系) |
芝不良馬場 | 13.6% | 13.6% | 27.3% |
芝良馬場 | 4.0% | 11.7% | 19.6% | |
エイシンフラッシュ (Mr.Prospector系) |
芝不良馬場 | 13.0% | 30.4% | 34.8% |
芝良馬場 | 4.8% | 10.1% | 15.4% |
ランキング外で注目はこの3頭。どの種牡馬も良馬場と比較してかなり数値は高くなります。エイシンフラッシュは上で紹介したキングズベストの最高傑作。キングズベストから重馬場適正もしっかり受け継いでいるといえます。
「ダート稍重馬場」種牡馬ランキング
★ダート稍重馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走100回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
オルフェーヴル (サンデーサイレンス系) |
ダート稍重馬場 | 13.9% | 20.8% | 27.7% |
ダート良馬場 | 8.9% | 18.2% | 24.6% | |
ヘニーヒューズ (Northern Dancer系) |
ダート稍重馬場 | 13.4% | 24.3% | 31.2% |
ダート良馬場 | 11.3% | 22.6% | 31.5% | |
ハーツクライ (サンデーサイレンス系) |
ダート稍重馬場 | 11.9% | 18.8% | 24.4% |
ダート良馬場 | 10.4% | 18.5% | 26.8% |
ダートの稍重で目立つ成績を残しているのがオルフェーヴル産駒。サンデーサイレンス系のステイゴールド産駒ということで、ダートのイメージは少ない血統ですが、脚抜きのいいダートでは好成績を残しています。
ヘニーヒューズ、ハーツクライは良馬場の成績を大きな差はないイメージ。雨だからといって狙いを下げる必要はなさそうです。
★ダート稍重馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
American Pharoah (Mr.Prospector系) |
ダート稍重馬場 | 33.3% | 33.3% | 40.0% |
ダート良馬場 | 16.4% | 21.3% | 27.9% | |
Into Mischief (Northern Dancer系) |
ダート稍重馬場 | 18.8% | 56.3% | 56.3% |
ダート良馬場 | 11.1% | 19.4% | 22.2% | |
モーリス (ロベルト系) |
ダート稍重馬場 | 16.0% | 26.0% | 42.0% |
ダート良馬場 | 8.9% | 14.9% | 20.8% |
注目したいのは外国産馬の父として活躍する2頭。どちらもアメリカのダート、オールウェザーで結果を出している種牡馬で、脚抜きのいい日本のダートは合うようです。
国内産馬ではモーリスが稍重で好成績。スクリーンヒーローの血には注意が必要です。
「ダート重馬場」種牡馬ランキング
★ダート重馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走80回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
キングカメハメハ (Mr.Prospector系) |
ダート重馬場 | 14.3% | 22.0% | 27.5% |
ダート良馬場 | 8.2% | 18.5% | 26.7% | |
キズナ (サンデーサイレンス系) |
ダート重馬場 | 13.2% | 27.4% | 31.1% |
ダート良馬場 | 9.2% | 16.4% | 25.8% | |
ロードカナロア (Mr.Prospector系) |
ダート重馬場 | 12.8% | 19.6% | 33.1% |
ダート良馬場 | 9.2% | 15.0% | 22.1% |
ダートも重馬場まで悪化するとかなりスピードが求められます。そのため芝血統の種牡馬が多くランクインするようになり、特にスピードに秀でたロードカナロア産駒なども活躍する傾向にあります。
どちらかといえばサンデーサイレンス系よりもMR.Prospector系の方が、ダートの重馬場に合っていると考えていいでしょう。
★ダート重馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
モーリス (ロベルト系) |
ダート重馬場 | 19.2% | 30.8% | 34.6% |
ダート良馬場 | 8.9% | 14.9% | 20.8% | |
ホッコータルマエ (Mr.Prospector系) |
ダート重馬場 | 17.8% | 28.9% | 33.3% |
ダート良馬場 | 7.2% | 15.9% | 27.5% | |
ヨハネスブルグ (Northern Dancer系) |
ダート重馬場 | 16.7% | 18.8% | 25.0% |
ダート良馬場 | 9.2% | 17.2% | 22.1% |
ここでも好成績を残しているモーリス。ダートの重馬場では要注目の種牡馬です。さらに地方交流を含むダートGⅠ10勝をマークしたホッコータルマエや、産駒が芝ダートどちらでも安定した成績を残しているヨハネスブルグも重馬場で狙いたい種牡馬になります。
ホッコータルマエは父系に、ヨハネスブルグは母系にMr.Prospectorの血が入っており、この血が影響しているのかもしれません。
「ダート不良馬場」種牡馬ランキング
★ダート不良馬場 種牡馬別勝率ランキング(出走50回以上)
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ダンカーク (Mr.Prospector系) |
ダート不良馬場 | 13.6% | 22.0% | 23.7% |
ダート良馬場 | 4.2% | 8.8% | 13.9% | |
サウスヴィグラス (Mr.Prospector系) |
ダート不良馬場 | 12.5% | 20.5% | 29.5% |
ダート良馬場 | 8.7% | 16.3% | 23.9% | |
キズナ (サンデーサイレンス系) |
ダート不良馬場 | 12.2% | 18.9% | 24.4% |
ダート良馬場 | 9.2% | 16.4% | 25.8% |
ダート良馬場との成績の差という点ではダンカーク産駒が圧倒的。ダート不良馬場においてはかなり信頼度の高い種牡馬といえます。ダートの力勝負が得意に見えるサウスヴィグラス産駒も不良馬場でより早さが生きる結果に。キズナはこの条件でも好成績を残しています。
★ダート不良馬場 注目種牡馬
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
カジノドライヴ (ボールドローラー系) |
ダート不良馬場 | 21.6% | 24.3% | 29.7% |
ダート良馬場 | 6.2% | 14.1% | 19.1% | |
ドゥラメンテ (Mr.Prospector系) |
ダート不良馬場 | 17.9% | 21.4% | 28.6% |
ダート良馬場 | 11.3% | 19.1% | 26.0% | |
ベーカバド (Northern Dancer系) |
ダート不良馬場 | 16.0% | 20.0% | 20.0% |
ダート良馬場 | 1.7% | 9.5% | 14.7% |
カジノドライヴはデビュー戦で2着に2.3秒差という圧倒的な力を見せるとすぐにアメリカに遠征。結果的には出走取り消しとなりましたが、ベルモントSに挑戦をしたダートの名馬です。ダート馬といってもスピードに偏った血統で、不良馬場でより好成績を残しています。
ドゥラメンテはご存じの通りダービー馬、ベーカバドは欧州血統の芝適性が高い血統になります。どちらもダートでは不良馬場で好成績を残しており、不良馬場の場合芝血統でも十分勝負になると考えられます。
重馬場で狙えるデータ
ここまでは血統から芝・ダートの重馬場で好成績を残している馬を検証してきました。続いては血統以外で狙えるデータをいくつか紹介しましょう。
重馬場で狙える騎手
★芝「稍重~不良」馬場 騎手別勝率ランキング(騎乗150回以上)
騎手 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
川田将雅 | 芝稍重~不良馬場 | 24.3% | 41.0% | 55.5% |
芝良馬場 | 29.5% | 44.3% | 57.3% | |
C.ルメール | 芝稍重~不良馬場 | 23.6% | 39.7% | 52.8% |
芝良馬場 | 25.6% | 45.7% | 55.3% | |
福永祐一 | 芝稍重~不良馬場 | 20.2% | 32.6% | 50.3% |
芝良馬場 | 20.5% | 34.9% | 48.3% |
騎手成績はほぼランキング通り。特に降雨の競馬で強みを見せている騎手は見当たりません。騎手に関しては、良馬場の時と同じイメージで予想していいでしょう。
ちなみにダートに関してもほぼ上記の表通り。騎手に関しては神経をとがらせる必要はなさそうです。
重馬場で狙える母父
★芝稍重~不良馬場 注目BMS
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
クロフネ (Northern Dancer系) |
芝雨馬場 | 12.2% | 17.7% | 23.0% |
芝良馬場 | 6.5% | 14.8% | 21.4% | |
ゼンノロブロイ (サンデーサイレンス系) |
芝雨馬場 | 10.9% | 18.1% | 24.6% |
芝良馬場 | 6.8% | 15.0% | 23.5% | |
ハーツクライ (サンデーサイレンス系) |
芝雨馬場 | 10.9% | 15.6% | 21.1% |
芝良馬場 | 8.7% | 13.9% | 18.5% |
ここで注目したいのは、母父馬の系統。サンデーサイレンス系が上位に入っているということは、狙うべき種牡馬はサンデーサイレンス系以外の種牡馬ということ。最初に芝の雨馬場ではキングカメハメハを中心としたMr.Prospector系に注目と書きましたが、その通りの結果といえます。
雨が降ったら父Mr.Prospector系×母父サンデーサイレンス系に注目してみましょう。
ほかにも系統同士の相性について知りたい方は、以下の記事で解説しています。
★ダート稍重~不良馬場 注目BMS
種牡馬 | 馬場状態 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
Giant’s Causeway (Northern Dancer系) |
ダート雨馬場 | 12.6% | 18.0% | 23.4% |
ダート良馬場 | 9.9% | 17.9% | 20.5% | |
タニノギムレット (ロベルト系) |
ダート雨馬場 | 10.1% | 18.1% | 21.8% |
ダート良馬場 | 5.3% | 13.4% | 21.6% | |
シンボリクリスエス (ロベルト系) |
ダート雨馬場 | 9.1% | 16.2% | 23.4% |
ダート良馬場 | 8.6% | 15.8% | 22.3% |
ダートの雨馬場ではロベルト系が活躍している傾向にあります。ロベルト系はサンデーサイレンスが属するHalo系同様にHail to Reason系に遡る系統。サンデーサイレンス系と配合すると、濃いクロスができやすく、あまり配合されない系統です。
ダートにおいても父サンデーサイレンス系はあまり活躍していないということになり、狙いはNorthern Dancer系やMr.Prospector系といった、米国系のスピード血統に注目しましょう。
「クロス」、「インブリード」に関しては以下の記事で解説しています。
重馬場基本戦略
血統面と騎手面のデータを知ったらあとは雨競馬の基本戦略です。雨が降り、重馬場になるとどのような競馬になり、どのような馬が有利になるのかを知っておきましょう。
芝はパワー勝負・ダートはスピード勝負
雨が降ると地盤は緩くなります。学校の校庭や公園をイメージすればわかるでしょう。芝コースの場合、表面に水が張った芝は滑りやすく、さらにその下の地盤は緩くなるわけです。
そのため完歩の大きい馬、つまり歩幅の大きな馬は踏ん張りがきかなくなり不利になります。芝の重馬場で注目すべきはパワー。しっかりと地面を捉えて蹴りだせるだけのパワーがあるタイプが有利になります。
一方ダートは雨が降るとタイムが速くなります。海水浴場の砂浜をイメージすればわかりやすいのですが、乾いた砂は走りにくく、波打ち際の砂は走りやすいイメージがあるかと思います。その状態と同じです。
ダートの重馬場では比較的芝血統が活躍しているのは、ダートの脚抜きがよくなり、時計の速い勝負になる傾向にあるからです。
重馬場の基本対策として、芝はパワー勝負、ダートはスピード勝負と覚えておきましょう。
内枠有利
特に芝レースで参考にしていただきたいのが、内枠が有利になるということ。基本的に競馬場は、内側の芝ほど荒れる傾向にあります。コースの内側は多くの馬が走るため、開催が進むごとに内側は荒れ、外が伸びる傾向が顕著になります。
しかし雨が降り、重馬場となるとこの荒馬場の影響がほぼなくなり、内も外もほぼ同条件の芝状態となります。
条件が同じであれば、走行距離のロスがなくなる内側が有利になるのは自明の理。その内側を走りやすい内枠の馬が有利になっていきます。
先行馬有利
芝の重馬場は飛びの大きい馬には合わないと書きましたが、一般的に差し・追い込み馬は最後の直線にかけて大飛びで加速する傾向にあります。こうした走法の馬より、歩幅が小さいピッチ走法の馬が有利となり、こうした馬はどちらかというと先行策をとる傾向にあります。
また、雨で馬場が悪くなると、馬が走ることで泥が飛び跳ねやすくなります。馬は前から後ろに脚を掻き込むように走りますので、飛び散る泥は後方に飛びやすくなり、こうした泥をかぶりながら走る後方待機策の馬は大きなストレスとなることがあります。
馬場の内側を取りやすく、泥をかぶる可能性が低い先行馬が有利という傾向になります。
まとめ
- 芝の重馬場はMr.Prospector系の種牡馬に注目
- スクリーンヒーローの血も芝の重馬場が得意
- ダートの重馬場は芝系の種牡馬に注目
- サンデーサイレンス系は総じて重馬場は得意ではない
大まかに血統面から重馬場攻略を考えてみましょう。まずサンデーサイレンスの血ですが、総じて重馬場が苦手ではありませんが、得意でもありません。積極的に狙いたい血統とは言えないでしょう。
芝の重馬場で狙うならMr.Prospector系の血。ただしロードカナロア産駒はあまり成績を残していないので注意です。
ダートの重馬場も同じような傾向ですが、特に母父ロベルト系に注目しましょう。母父ロベルト系はそこまで多くはありませんので、思わぬ穴馬に出会えるかもしれません。
雨が降って重馬場になっても予想の基本は変わりません。ただし、良馬場とは多少使用するデータが変わりますので、その点はしっかり押さえて予想していきましょう。